ファクタリングの問題点

ファクタリングを利用したいと考えている方は、ファクタリングにはどんな問題点やリスクがあるのだろうか?と思うのではないでしょうか?
問題点やリスクを正しく理解する事ができれば問題なく利用できる便利な資金調達方法となるのがファクタリングです。
この記事ではファクタリングの問題点やリスク、実際にあったトラブルを紹介します。
ではまずファクタリングの問題点を解説します。
どの様な事が問題なのか、またそれを解決する術はあるのか、一緒に考えてもらえるとより一層ファクタリングへの理解が深まる事と思います。
それでは紹介していきます。
ファクタリング手数料が割高
ファクタリングは買取ファクタリングでも保証ファクタリングでも一定の手数料がかかります。
3社間ファクタリングは3~10%、2社間ファクタリングは10~20%程が手数料の相場と言われています。
同じく先程紹介した手形割引と比べてみましょう。
手形割引は手数料ではなく「利息」という形になりますが、信用金庫・信用組合で2.5〜5.0%、メガバンクで1.5〜3.5%程で、いかにファクタリングの手数料が高いのかがわかります。
ファクタリングの手数料はこちらの記事で詳しく解説していますので、気になる方は是非ご覧ください。
(ファクタリングの手数料の記事を挿入)ファクタリングが認知されていない
2つ目の問題点はファクタリングが認知されていないという点です。
何故認知されていない事が問題なのかと言うと、このファクタリングを利用すると取引先に通知し、了承を得ることが必要な3社間ファクタリングではファクタリングを利用=経営が傾いているとされてしまう事があります。
それにより、経営が傾いている企業と取引はしない方がいいと取引がなくなってしまうなど理解されず、それが故に経営破綻を引き起こしてしまいます。
ファクタリングというもが普及し、正しい知識が広まればこの問題は解決できますがそれにはもうしばらく時間がかかりそうです。
この2つがファクタリングにおける現在の大きな問題点です。
特に2つ目の認知が進んでいないというのは長らく日本では手形での取引が主流だった事と、日本人が新しいものに消極的で保守的な性格をしている事が理由とされています。
しかし、これからはよりグローバル化が進み、ファクタリングが主流の外国企業が身近になる事によってこのファクタリングが主流となる日がそう遠くない未来にやってくることでしょう。
その時にはファクタリング会社の競争によって手数料が安くなっているかもしれません。
現在も大手のファクタリング会社が2社間ファクタリングの手数料の最大を9%にするなど、手数料の引き下げが行われ、段々とよりファクタリングが中小企業や零細企業にとって使いやすいサービスになってきつつあります。
ファクタリングのリスク

それでは次にファクタリングが抱えるリスクについて見ていきましょう。
このリスクは問題点と違い、防ぐことが可能です。
ではファクタリングのリスクを紹介します。
悪徳ファクタリング会社
最初に挙げられるのはやはり悪徳ファクタリング会社でしょう。
まだ日本にファクタリングが普及していない事や、法整備が十分でない為、悪徳業者が見受けられます。
この悪徳ファクタリング会社は様々な手段を用いてファクタリングを利用しようとする会社からお金を搾取します。
この悪徳ファクタリング会社に遭遇しない為に必要なのは情報収集です。
今利用しようとしているファクタリング会社の所在地、代表者、資本金、今までの実績など事前に調べておきましょう。
悪徳ファクタリング会社はやましい事があるので情報を出したがりません。
ホームページなどに所在地や代表者氏名などがない場合は100%悪徳ファクタリング会社と思っていいでしょう。
悪徳ファクタリング会社に引っかからないようファクタリングを利用する際には情報収集は欠かさず行うようにしましょう。
悪徳ファクタリング会社については以下の記事に詳しくまとめてありますので、是非ご覧ください。
(ファクタリングを安全安心の記事を挿入)自転車操業
次に自転車操業になってしまいがちというリスクです。
ファクタリングを利用する多くの会社は資金繰りに困っている会社です。
その資金繰りに困っているのが一時的な事情でならこのリスクはあまりありませんが、そうでない場合は自転車操業に注意が必要です。
ファクタリングは性質上、利用をやめようとすると1つの事業のみの会社だと収益がなくなるケースが出てきます。
ファクタリングは簡単に言えば手数料を支払って収益を早期に資金化するものですので、これを1度使用する翌月も、翌々月も、更にその次の月も…とエンドレスに続いて行ってしまいます。
しかし、手数料の事を考えてみて下さい。
ファクタリングを使えば使うほどかかっていきます。
10%や20%の手数料が毎月かかれば経営が徐々に苦しくなっていくのは目に見えています。
つまりファクタリングは一歩間違えれば会社をさらなる窮地に追い込む事のある諸刃の剣なのです。
この様に正しい知識を持っていないと現状以上に事態を悪化させてしまう事もあるのがファクタリングの怖い所です。 何度も書いているようにファクタリングで大切なことは正しい知識を持つ事と情報を集める事です。
過去にあったファクタリングによるトラブル

最後に実際にあったファクタリングのトラブルを3件紹介します。
これは決して他人事ではなく、ファクタリングを利用する全ての会社に起こりうる出来事です。
CASE1.悪徳ファクタリング会社に引っかかったM社
M社はファクタリングを利用しようとファクタリング会社を探していたところ、手数料が2%と安いファクタリング会社を見つけました。 しかし、取引先の信用がない、諸経費がかかる、初回利用だから保険として、などといった理由から40%の手数料になってしまい、より一層経営が苦しくなってしましました。
このM社が体験したのは悪徳ファクタリング会社の典型的な例です。
安い手数料でおびき寄せ、様々な理由をつけて手数料を引き上げるという手法に引っかかってしまいました。
恐らくファクタリングを利用する事自体も初めてだったのでしょう。
手数料が2%は魅力的に見えた事は想像に難くありません。
ところが結果として相場を超える40%の手数料を取られてしまうという悲劇を生んでしまいました。
正しい知識と、十分な情報があれば防げた事案です。
CASE2.契約に相違点があったE社
E社は3社間ファクタリングを利用しようと取引先に了承を得てファクタリング会社と契約をしました。 この契約の際に売掛債権(代金を支払われる権利)を売却したのでファクタリング会社に代金を支払うのは取引先です。 しかし契約から1か月が過ぎたころ、ファクタリング会社から代金支払いの請求書が届きました。 契約書を見てみると3社間ファクタリングではなく、2社間ファクタリングでの契約になっていました。
このケースは悪徳業者程ではないものの多くあります。
E社はすぐに支払いをする事ができたので事なきを得ましたが、支払えなかった場合には商品や口座が差し押さえられるという事になっていたかもしれません。
契約内容はよく読み、理解したうえで判子を押すようにしましょう。
CASE3.二重で売掛債権(代金を支払われる権利)を売却してしまったL社
L社はファクタリングを利用しようとA社のファクタリング会社と契約を締結しました。 しかし一緒に見積もりを取っていたB社が好条件を提示してきたので、B社とも契約を締結しました。 後からA社との契約を破棄しようと考えていたL社ですが、先に契約をしたA社との契約が優先される為、L社はB社との契約を多額の違約金を払い解除し、A社のファクタリングを利用しました。
これはいわゆる二重債権譲渡と言われるもので、悪質な場合だと横領罪や詐欺罪に問われることもあります。
見積もりを取ることはとても重要で、何社取っても構いません。
しかし、ファクタリングは1社のみと契約をしましょう。
まとめ

ここまでファクタリングの問題点、リスク、実際にあったトラブルを紹介してきましたが如何だったでしょうか?
ファクタリングに対する正しい知識がない中でファクタリングを利用しようとすると取り返しのつかないことになってしまう事もあります。
ファクタリングを利用する前には正しい知識を得て、そのうえで十分な情報を集めて契約をしましょう。
その契約時にも契約書をよく読んで、契約内容に相違はないかの確認も怠らないのが大切です。
備えあれば患いなし、です。
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